(苦情の解決)
第六十四条の五 宅地建物取引業保証協会は、宅地建物取引業者の相手方等から社員の取り扱つた宅地建物取引業に係る取引に関する苦情について解決の申出があつたときは、その相談に応じ、申出人に必要な助言をし、当該苦情に係る事情を調査するとともに、当該社員に対し当該苦情の内容を通知してその迅速な処理を求めなければならない。
2 宅地建物取引業保証協会は、前項の申出に係る苦情の解決について必要があると認めるときは、当該社員に対し、文書若しくは口頭による説明を求め、又は資料の提出を求めることができる。
3 社員は、宅地建物取引業保証協会から前項の規定による求めがあつたときは、正当な理由がある場合でなければ、これを拒んではならない。
4 宅地建物取引業保証協会は、第一項の申出及びその解決の結果について社員に周知させなければならない。
(宅地建物取引業に関する研修)
第六十四条の六 宅地建物取引業保証協会は、一定の課程を定め、宅地建物取引士の職務に関し必要な知識及び能力についての研修その他宅地建物取引業の業務に従事し、又は従事しようとする者に対する宅地建物取引業に関する研修を実施しなければならない。
(弁済業務保証金の供託)
第六十四条の七 宅地建物取引業保証協会は、第六十四条の九第一項又は第二項の規定により弁済業務保証金分担金の納付を受けたときは、その日から一週間以内に、その納付を受けた額に相当する額の弁済業務保証金を供託しなければならない。
2 弁済業務保証金の供託は、法務大臣及び国土交通大臣の定める供託所にしなければならない。
3 第二十五条第三項及び第四項の規定は、第一項の規定により供託する場合に準用する。この場合において、同条第四項中「その旨をその免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に」とあるのは、「当該供託に係る社員である宅地建物取引業者が免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に当該社員に係る供託をした旨を」と読み替えるものとする。
(弁済業務保証金の還付等)
第六十四条の八 宅地建物取引業保証協会の社員と宅地建物取引業に関し取引をした者(社員とその者が社員となる前に宅地建物取引業に関し取引をした者を含み、宅地建物取引業者に該当する者を除く。)は、その取引により生じた債権に関し、当該社員が社員でないとしたならばその者が供託すべき第二十五条第二項の政令で定める営業保証金の額に相当する額の範囲内(当該社員について、既に次項の規定により認証した額があるときはその額を控除し、第六十四条の十第二項の規定により納付を受けた還付充当金があるときはその額を加えた額の範囲内)において、当該宅地建物取引業保証協会が供託した弁済業務保証金について、当該宅地建物取引業保証協会について国土交通大臣の指定する弁済業務開始日以後、弁済を受ける権利を有する。
2 前項の権利を有する者がその権利を実行しようとするときは、同項の規定により弁済を受けることができる額について当該宅地建物取引業保証協会の認証を受けなければならない。
3 宅地建物取引業保証協会は、第一項の権利の実行があつた場合においては、法務省令・国土交通省令で定める日から二週間以内に、その権利の実行により還付された弁済業務保証金の額に相当する額の弁済業務保証金を供託しなければならない。
4 前条第三項の規定は、前項の規定により供託する場合に準用する。
5 第一項の権利の実行に関し必要な事項は法務省令・国土交通省令で、第二項の認証に関し必要な事項は国土交通省令で定める。
(弁済業務保証金分担金の納付等)
第六十四条の九 次の各号に掲げる者は、当該各号に掲げる日までに、弁済業務保証金に充てるため、主たる事務所及びその他の事務所ごとに政令で定める額の弁済業務保証金分担金を当該宅地建物取引業保証協会に納付しなければならない。
一 宅地建物取引業者で宅地建物取引業保証協会に加入しようとする者 その加入しようとする日
二 第六十四条の二第一項の規定による指定の日にその指定を受けた宅地建物取引業保証協会の社員である者 前条第一項の規定により国土交通大臣の指定する弁済業務開始日の一月前の日
2 宅地建物取引業保証協会の社員は、前項の規定による弁済業務保証金分担金を納付した後に、新たに事務所を設置したとき(第七条第一項各号の一に該当する場合において事務所の増設があつたときを含むものとする。)は、その日から二週間以内に、同項の政令で定める額の弁済業務保証金分担金を当該宅地建物取引業保証協会に納付しなければならない。
3 宅地建物取引業保証協会の社員は、第一項第二号に規定する期日までに、又は前項に規定する期間内に、これらの規定による弁済業務保証金分担金を納付しないときは、その地位を失う。
4 第一項の規定に基づき政令を制定し、又は改廃する場合においては、その政令で、弁済業務保証金の追加の供託及び弁済業務保証金分担金の追加納付又は弁済業務保証金の取戻し及び弁済業務保証金分担金の返還に関して、所要の経過措置(経過措置に関し監督上必要な措置を含む。)を定めることができる。

「宅地建物取引業保証協会」とは、日本において宅地建物取引業者(不動産業者)が加入することができる民間の保証団体で、不動産取引の安全性を高めるために設けられている制度の一つです。 正式名称は「公益社団法人 全国宅地建物取引業保証協会」が代表的ですが、全国には地方ごとの支部や独自に組織されている保証協会もあります。
主な役割は消費者保護で、 万が一、宅建業者(不動産会社)と取引をして損害を受けた場合に、一定の範囲内で弁済業務(補償金の支払い)を行う。
宅建業者の義務として、営業保証金(1,000万円)を供託するか、この保証協会に加入して「弁済業務保証金分担金」(60万円)を納めることで、営業保証金の供託義務を免れることができる。
業界の健全な発展支援として、不動産業界の健全な運営、講習・研修活動、取引の透明性向上などにも取り組んでいる。
宅建業者にとってのメリットは、営業保証金の負担を大幅に軽減できる。 信頼性向上につながる。 トラブル発生時のリスク分散ができる。
加入に必要な条件は、宅地建物取引業の免許取得者であること。 入会金や年会費、弁済業務保証金分担金の支払い。 必要書類(免許証の写し、会社登記簿謄本など)提出。